くわみず病院

くわみず病院は住宅地に建つかかりつけの医療機関として以下の方針の下計画されました。

●地域とのかかわりを大事にする病院づくり
・建設時から地区、患者を中心とした建設委員会を通して、住民参加型の病院建設を行ってきた。これら活動を継続する場として地域主体の交流スペースを持つ。
●住宅地と調和する構成
・静かな住宅地に隣接する地域の病院として、建物ボリュームを分節化。ヒューマンスケールの建物を目指し、 病院と管理とを分け2棟で構成。
 本館の階層を低層部と高層部に分け周辺のスカイラインに配慮、落ち付いた色彩としている。
・背後に広がる福祉施設の緑に連続するよう屋上を緑化。玄関アプローチには湧水地-水前寺地域の立地性を 生かし井水のせせらぎをつくるなど、周辺との環境、地域性を意識したデザインとした。
・三角病棟の本館(病院)と別館(管理棟)の中心にエントランスロータリーを配置。隣接する住宅と距離をとる配慮をしている。又、広く開くことで入口が分りやすく、職員動線を2階レベルのブリッジで渡すなど明快な構成としている。

●入院されている方個々が選択できる療養環境
・同室の方へ気遣いが少なくなるように、ベッド毎の照明と窓を持つ個室的多床を採用している。
・食事や談話、読書など、職員やお見舞いの方の為に食 堂や談話室を病室近くに配置。
・個室的多床を自立度の高い患者のゾーンに配置。三角病棟の斜面を生かした構成とした。
・個室はWCを窓側に配置。近隣との視線に配慮しつつベッドから緑を望むことが出来る配置としている。
●医療スタッフから患者さんに近い療養環境づくり
・1フロア1病棟の三角病棟とすることで、中心となる スタッフステーションを中心に、各チームからの最短の動線で病棟を構成している。

写真撮影:エスエス九州

建築主

社会医療法人 芳和会

用途

救急告示病院
一般病床100床(うち亜急性病床6床、ハイケアユニット病床8床、重症者等療養環境特別加算6床)

所 在 地

熊本県 熊本市

竣  工

2004年9月

延床面積

7,958㎡

備考

実施設計・監理

構造規模

鉄筋コンクリート造+鉄骨造
地上5階